inject の語源と意味

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(DUO 894-194)  ※これはDUO3.0の英単語見出し番号894と英文番号194を示している

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語源 in + ject

in- 中に  + ject 投げる

【シナプス・ポイント】
in- と ject を繋げると
中に投げる → …を注射する、…を注入する、(意見など)を差し挟む

 ↳   injection
(DUO 894-194) in- 中に +  ject 投げる + -ion こと(名詞化)→ 中に投げること → 注射

接頭辞 in- ,im-

in- ,im-
には、「否定」「中に」というイメージがある。

否定の意味を持つ接頭辞はいくつかある。
in, im, un, dis などが代表例だ。
代表と云ったのは、 in では接頭辞の後に続く語根のスペルによって ir や il などに変化することがあるからだ。im も in の変形でもある。
色々あって覚えにくく感じるが、これらの否定の接頭辞を知っておくと、かなり多くの単語の記憶の手助けになるので、しっかり把握しておこう。

紛らわしいのは、in, im は「中に」という全然違う意味の接頭辞があることだ。
それは印欧祖語までさかのぼると語源が違うことが要因のようだが、その違いを詳しく知っても他の単語の手助けにはあまりならないので、「否定」か「中に」かについて難しいことは考えずに語根との組み合わせ次第で割り切って覚えてしまおう。

一方で、un と dis は「否定」と覚えておけば問題ないであろう。単語を見た瞬間に「否定」のイメージが出来るので、覚えていない単語でも想像つきやすくなる。

in- ,im- の関連語

inspire
(DUO 2234-481) in- 中に + spir 息をする → 中へ息をする → 中へ息を吹きかける → …に刺激を与える、…を元気づける/ ひらめきを与える

  ↳   inspiration
(DUO 2234-481) in- 中に + spir 息をする + -ation(名詞化)→ 中へ息をすること → 中へ息を吹きかけること → インスピレーション、ひらめき、創造的思考への刺激、霊感

incident
(DUO 2158-465)in– 中に + cid 落ちる、偶然 + -ent (名詞化) → 中に落ちること → 身の上に落ちてくること → 何かの出来事が発生したこと → (予期しない)出来事、(偶発的な)事件

 ↳    incidental
(DUO 2158-465)in– 中に + cid 落ちる、偶然 + -ent (名詞化)+ -al (形容詞化)→  中に落ちるような → 身の上に落ちてくるような → 何かの出来事が発生したような → 偶発的な出来事のような → 偶然起こる、付随する

 ↳    incidentally
(DUO 2158-465)in– 中に + cid 落ちる、偶然 + -ent (名詞化)+ -al (形容詞化)+ -ly (副詞化)→ incidental (中に落ちるような → 身の上に落ちてくるような → 何かの出来事が発生したような → 偶発的な出来事のような → 偶然起こる、付随する) + -ly (副詞化)→ 付随して言うと → ついでに言うと → ちなみに 

※ この incidentally は、いきなり「ちなみに」と覚えようとすると、incidentとの繋がりもわからず意味不明だが、語源のもつコアイメージ「偶発的な、付随する」を知っていれば、「付随して言及する」、すならち「ついでに言う」→「ちなみに」という流れがよくわかる。

indifferent
(DUO 2079– 449)  in- 否定 + dif- (= dis-, di- ) 離れて (apart) + fer 運ぶ (carry) + -ent のような (形容詞化) → 離れて運ぶようなことのない → 特に大差ない、いつもと異なることがない → 無関心な、公平な、大したことのない

 ↳    indifference
(DUO 2079– 449)  in- 否定 + dif- 離れて + fer 運ぶ + -ence こと (名詞化)→ 離れて運ばないこと → 違いがないこと → 特に大差ないこと → 無関心

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語根 ject

ject は、「投げる (throw)」というイメージを持つ。
日本語化した単語では、映像を前の壁などに投影する機械であるプロジェクター(projector)などがわかりやすい。まさに前の(pro)方に投影(投げる=ject)するもの(-or)なのだ。その他の関連語も同じように大変イメージし易いので、シナプス効果が非常に高い語根なので沢山のシナプス・ポイントで繋げて覚えてしまおう!

ject の関連語

subject
(DUO 777-1770)sub- 下に + ject 投げる →下に投げる → 下のものを服従させる/下に置かれたもの → …に受けさせる(動詞)/ 主題、テーマ、科目、臣民 (⇔ object 目標、目的、異議を唱える)

 ↳    subjective
(DUO 777-1770) sub- 下に + ject 投げる + -ive のような(形容詞化)→ 下のものを服従させるような → 主観的な

object
(DUO 97-21) ob- ~に対して + ject 投げる → に対して投げる → 向かって投げる → 向かって投げる対象、に向かって反対意見を投げる → 物、物体、目的、目標(意識を向ける対象のこと)(名詞) / 異議を唱える、…だと言って反対する

 ↳   objection
(DUO 97-21) object 異議を唱える+ -ion こと(名詞化)→ 反対意見、異議

 ↳   objective
(DUO 403-85) object 物体・対象+ -ive に関わる(形容詞化)→ 対象や物体に関わるような → 客観的な

subject と object の違い

下に投げる→ subject は、動作や行動の主体を表している。コアイメージは「主体」
向かって投げる→ object は、主体の行為の対象・目標を表す。コアイメージは「客体」

ざっくりと云うと、主体は、自分であったり何か物事を行っている中心のことを表し、客体はその対象を表している

そのコアイメージを持つと、形容詞である 「subjective 主観的な 」と 「objective 客観的な」の違いも理解しやすくなる

reject
(DUO 2068-447) re- 後ろに + ject 投げる → 後ろに投げる → …を拒絶する、…を却下する

 ↳   rejection
(DUO 2068-447) re- 後ろに + ject 投げる + -ion こと(名詞化)→ 後ろに投げること → 拒絶、却下